こんにちは、たかしです。
釧路市に移り住んで3年半が経過しましたが、今回は私が釧路の街を実際に見て驚いたことをご紹介します。
釧路市街地は平地だけじゃない!?
釧路市と聞いて、皆さんが思い浮かべるのは釧路湿原や幣舞橋、北大通といった駅前中心部の光景ではないでしょうか。
これらから連想される地形のイメージはほぼ100%「平地」でしょう。
確かに、釧路駅前・北大通から幣舞橋までのラインや、釧路駅より北側と西側には平地が広がっており、坂道はありません。
これらの地域はもともと「海」だったからです。
これはすなわち、「釧路湿原の一部」とも解釈できます。釧路市街地の平地の地盤が緩いといわれるのも、このためです。
しかし、幣舞橋より南側と東側、すなわち釧路川の対岸の地形は違います。
釧路川河岸(材木町)や春採湖畔(千代の浦など)のごく限られた地域を除いては、起伏に富んだ傾斜地となっており、坂道が多いです。
「坂の街」として有名な小樽出身の私にとっては、釧路にそんな地形があるなんて知りもしなかったのでとても驚きでした(笑)
以降、この地域を「東部」と定義し、次項にて詳しく説明します。
釧路市東部地域について
釧路市は2つの川を境界線として、大楽毛、昭和、鳥取などの「西部」(市境~新釧路川)、釧路駅があり、市の中心である「中部」(新釧路川~釧路川)、そして今回取り上げる「東部」(釧路川~市境)の3地区に大別されます。
釧路の中でも平地が広がるのは「中部」と「西部」です。「東部」は傾斜地で坂が多く、標高も高いのが特徴です。
そんな「東部」は釧路市始まりの地でもあります。
かつては海底だった「東部」ですが、いわゆる「縄文海進」により海岸が後退し、陸地となって現れ、アイヌの時代から人が定着し、街を形成していきました。
そのため、「東部」には今も振興局(北海道庁の出先機関)や裁判所、博物館、市立病院といった公的機関があります。これはかつて「東部」が釧路市の中心だったことの名残でしょう。
人口推移からもその様子が読み取れます。
現在の人口集中地区は釧路公立大学やイオンモール釧路昭和周辺ですが、かつては春採や興津、武佐、白樺台あたりが最も人口が多かったです。
現在では高齢化が進み、古い住宅や団地が多く目立ちます。坂が多い地形は例外なく、人が避ける場所なのでしょうね。
西部 | 中部 | 東部 |
平地 | 平地 | 傾斜地 |
地震、津波、洪水に弱い | 西部と同じ | 大雨、土砂災害に弱い |
元は海、湿原の一部 | 西部と同じ | 元は海底、起伏に富む |
生活の利便性
東部は坂のほかにカーブが多く、道幅も狭いです。冬場はロードヒーティングがあるとはいえ、運転には注意が必要です。
また、郊外の大型店舗の集中地帯から遠く、大きな買い物には多少苦労するでしょう。それでも食料品や簡単な買い物はできますし、コーチャンフォーがあるので、書籍や文具に関しては他地区よりアドバンテージがあります。
地価は比較的安い方で、津波や浸水災害には強い地域なので、住宅を建てる際には一度検討してみる余地はありそうです。ただし、1993年釧路沖地震では緑ヶ岡地区で地滑りが起きているためその点は留意が必要です。
釧路市東部地域おすすめスポット5選
そんな東部ですが、駅前と比べると知られていないのが個人的な悩みです。(笑)
ここからは、ぜひ訪れてほしいスポットを5つご紹介いたします。
- 春採湖
東部を訪れた際に外せないのは春採湖。自然豊かで、市民の憩いの場です。1周4.7㎞で湖畔を歩くことができます。一般的な足なら1時間30分で回ることができ、石炭を運んでいた線路跡も見ることができます。私はゆっくり撮影・観察しながら歩いたので2時間ほどかかりました。
エゾシカの出没しやすい地域のため、運がよければ出会えることも。冬は「雪の妖精」シマエナガを見られることで有名な場所でもあり、野鳥観察や散歩が趣味の方には特におすすめのスポットといえます。
駐車場は久寿里橋通沿い(湖陵・工業高校側)にあり、下り坂で見逃しやすいので要注意。
- 釧路市立博物館
春採湖に隣接する市立博物館。釧路について詳しく知ることができる常設展と、期間で変わる企画展の2つで主に構成されています。10月現在では日本製紙釧路工場についての展示が行われています。また、漫画「ゴールデンカムイ」が好きな方は必見のスポットです。
建物のデザインは釧路出身の建築家、毛綱毅曠氏によるもので、とても芸術的です。
入場料はかかります(大人480円、高校生250円、小中学生110円)が、マンモスホールは入場無料。
釧路市民や移住体験(短期・長期滞在)している方は一律無料です。
駐車場もありますが、バスのアクセスも充実しています。2つのイオンからまっすぐ行くことも可能です。
車で久寿里橋通を通って行く際、五叉路からは行けないので、鶴ケ岱公園通に右折するか、久寿里橋を渡って2つ目の信号を右折してください。
- 千代の浦マリンパーク
東部地域では珍しく、砂浜がある公園です。遊具はもちろん、釣りもでき、コロナ前はバーベキューハウスを借りてBBQができ、多くの人で賑わっていたそうです。
元は千代の浦漁港という小規模な漁港で、その一部を市が公園として整備したものです。
春採湖の南端にも近く、体力に自信のある方は湖畔散歩ついでに寄り道してみるのもよいでしょう。私は行けませんでした(笑)今度行ってみようと思います。
また、釣り好きにとっても外せないスポットです。
駐車場は充実しており、子連れでも訪れやすい公園です。
- 武佐の森
同じ東部でも場所ががらりと変わり、武佐地区にある森林公園です。私は大学の授業でこの森の存在を知ったのですが、野鳥や植物観察が楽しめる公園です。
木道が整備され歩きやすい環境ですが、虫が多い点には要注意です。思っているよりも広いかもしれません。
駐車場はやや狭めで、立地も住宅地の中とあって初見の方にはわかりにくいかもしれません。
バスで行く際は「2号公園前」か「武佐中通」で降りてください。JRは本数が少ないのと駅からやや遠いためご注意ください。
- 米町界隈
幣舞橋を渡って南大通をしばらく歩くと、「米町」にたどり着くことができます。沿岸のためなだらかな斜面で比較的歩きやすく、道路舗装がおしゃれです。
米町は石川啄木の滞在地として有名で、歌碑がいたるところにあります。啄木や詩が好きな方、ちょっとレトロでノスタルジーな釧路を味わいたい方にはおすすめです。
この地区を走るバス路線にも「たくぼく循環線」という名前がついています。歩くことに不安な方はこちらのバスもおすすめです。市内で数少ない均一運賃(210円)で乗りやすいです。
車で走行することも可能ですし、徒歩やバスの方は駅前周辺に車を置いていくとよいです。
まとめ
釧路市の中でも、釧路らしからぬ傾斜地が広がる東部地域にスポットを当てて紹介してきました。
・釧路市街地にはイメージ通りの低地の西部・中部地域と、坂道やカーブが多く、道が狭い東部地域の2つの顔がある。
・釧路川の対岸、幣舞橋を渡った向こうに東部地域は広がっている。
・元は東部地域が釧路市の人口の中心であり、始まりの地でもあった。
・東部地域は生活には多少不便だが、津波や浸水害に強い。ただし崖崩れなど土砂災害には要注意。
・知名度が低く、注目されにくい東部地域だが、自然を中心としたおすすめスポットも多い。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご意見等ございましたらお問い合わせフォームより送信してください。
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