
こんにちは、たかしです。
先日(10/6)、釧路居住4年目にしてようやくノロッコ号に乗車してきましたので、乗車記を中心に基本情報とおすすめしたい理由もご紹介いたします。
釧網本線「夏」の観光列車「釧路湿原ノロッコ号」とは
鉄道好きにとってはたまらない「釧路湿原ノロッコ号」。
釧路~網走を結ぶJR釧網本線の経営を支えている、人気の観光列車です。
運転期間は例年4/29ごろ~9/23ごろですが、釧網本線実証事業の一環で今年は10/15まで運転します。
個人的には、釧路に来たらぜひ乗ってほしい列車の一つです。その理由は後述します。
釧網本線のうち、釧路~塘路(標茶町)間で運行し、時には川湯温泉(弟子屈町)まで延長運行することも。今年(2023年)は6/13と10/7の計2日間運転されました。
また、日没時刻に合わせて運転する「夕陽ノロッコ号」もあり、天気がいいと真っ赤な夕陽を列車内から見ることができます。こちらは9/20~22と10/13~15の計6日間運転します。残り1週間を切りましたが、座席を選ばなければ買える可能性もあります。えきねっとかみどりの窓口で確認してください。
切符は①みどりの窓口に行く、②えきねっとで買う、③指定席券売機or話せる券売機で買う方法があります。運賃分の切符(釧路~塘路:640円)と指定席券(840円、1号車なら不要)の2枚が必要ですのでご注意ください。ICカードは利用できません。(※)
※北海道内のICカード利用可能エリア(JR)は札幌を起点に小樽、北海道医療大学、岩見沢、苫小牧までと覚えましょう。ただし、2024年3月のダイヤ改正からは岩見沢~旭川の全駅と新函館北斗~函館の全駅にも拡大しました。
釧路駅発着の観光列車は「夏」のノロッコ号のほかにもう一つ、「冬」のSL湿原号もあります。そちらにはすでに乗車済みですので、別記事でご紹介します。


ノロッコ号乗車記・往路編
ここからは、釧路湿原ノロッコ号に乗車した様子を写真とともにレポートいたします。
10/6、釧路駅11:06発に乗車。この日は1往復運転日でした。

天気は晴れ間が見えるものの、曇り。雨が降り出しそうな空で、肌寒かったです。

写真撮影と混雑回避のため、20分前に改札を通過。いったんエスカレーターで地下に降りて、3番ホームを目指します。
ノロッコ号の前面部(1号車側)です。

切符を確認し、いよいよ車内へ。往路は3号車の12Aに着席。車酔い回避と気兼ねない景色撮影のため、もっぱら進行方向窓側かつ釧路湿原側派です。
札幌発の特急「おおぞら」からの乗り継ぎ客が来てから発車します。これはSLでも同じで、おおぞらの到着状況によっては観光列車の出発時刻がずれ込む場合がありますのでご注意ください。
※実際、私もSL乗車時に遭遇しました…。遅れても3~5分程度だったと記憶しています。また、大幅な遅れ(停電、動物衝突、悪天候等)や運休の際はさすがに待たないで定刻通り発車すると思います。
今回は、定刻通りに釧路駅を発車しました。
最初の見どころは、渡橋による釧路川越えです。今回はいませんでしたが、SLになると川べりには多くの写真家がカメラをもって待ち構えています。実は隠れた撮影スポットなのです…。

渡ってからは材木町の川べりを橋南幹線通(旧国道44号)と並走したのち、貝塚生協の手前でカーブして東釧路駅に停まります。
ここで根室本線(花咲線)と分岐し、釧網本線に入ります。
国道44号線の下を通り、標茶へ向かう国道391号線と並走します。しばらく直線が続きます。
しばらくして、ツルハドラッグの建物や人家が見えてきます。ここが遠矢(とおや)と呼ばれる地区です。釧路町内ではセチリ太(イオンがあるところ)や別保(べっぽ)と並ぶ大きな集落です。
国道391号線をくぐり、遠矢駅を通過します。ここからいよいよ、湿原内に入っていきます。
しばらくすると、謎の物体が見えてくると同時に減速し始めます。

車内アナウンスが、謎の物体が「岩保木(いわぼっき)水門」であると教えてくれます。詳しくは乗って聞いてみてください。
そして、減速してのろのろ走ることから、「ノロッコ号」なのです。これが醍醐味です。
岩保木水門を過ぎると間もなく、釧路湿原駅に到着します。こちらは季節限定駅で、細岡展望台の最寄り駅です。
ですが、駅前の階段を上ってさらに歩くので、隣に乗っていた女性グループの方たちが「遠くて大変だわ」と嘆いていました。
1分もしないで発車し、細岡駅に停まります。カヌーステーションがあり、ここからカヌーで釧路川の川下りができるそうです。

こちらもすぐ発車し、次はいよいよ終着・塘路駅です。まあ、隣といっても駅間距離が長いのが北海道の田舎あるあるなのですが…(笑)
しばらく走ると、開けた湿原が現れたり、片側に湿原だったり…が繰り返されます。そして、釧路川と線路の最接近スポットとアナウンスされたところで再び減速します。

川の水が濁っているのは前日の大雨によるものだと思っていたのですが…。これも詳しくは乗って聞いてほしいです。
そして11:51、定刻通りにノロッコ号は塘路駅に到着しました。


塘路駅の周辺はよくある無人駅の光景が広がっています。小規模な公園があり、タワーに上ると湿原とその奥の山々が一望できます。



お昼時とあって、皆さんどこかで買った駅弁や自作弁当を食べていました。
この続きは次項にて。

ノロッコ号乗車記・復路編
余裕をもって12:10頃に乗車しました。復路の座席はは4号車17A。進行方向窓側かつ湿原側はもちろん、さらには最後部(復路では先頭部)の近くです。
塘路駅で26分間停車したのち12:17、定刻通りにノロッコ号は釧路駅に向けて発車しました。
私が乗車した後ににわか雨が降り始め、窓には水滴が。少し見通しが悪いです。

復路の収穫としては、往路で見れなかったエゾシカが大量に見れたことですね。乗客の誰かが「あっ、シカだ!」と声を上げるたびに皆さん(私もですが)「どこだ!?」と探し回っていました。
全てを写真には収められませんでしたが、撮れたものを掲載します。


また、シカを線路外に出すための汽笛を聞くこともできました。線路にシカがいる光景も肉眼で確認できました。
駅でもないのに鳴らしたときは、動物除けの汽笛だと思ってOKです。見れればラッキー、見れなくても「ああ、いたんだな」と思ってくれればいいです。特に道東の線路では日常茶飯事です。
経路や停車駅は当然往路と同じですが、釧路湿原駅には往路で細岡展望台目当てに下車した大量の乗客がノロッコ号を待っていました。
その後も順調に進み、13:05の定刻通りにノロッコ号は釧路駅に到着。無事に1往復の運転を終えました。
乗車証明書に押せるスタンプを押し忘れかけていた私ですが、16Aに乗っていた男性のおかげで気づけました。ありがとうございました。

車内を撮影してホームに降ります。2番ホームには根室行きの普通列車が。運よくルパンラッピング車両だったので撮りました。なぜ花咲線でルパンラッピングなのかは皆さんで考えてみてください。


以上、私のノロッコ号乗車体験記でした。ここまで長々と失礼いたしました。
次項では、私がノロッコ号や湿原号への乗車を強く推す理由をお話しします。もう少しお付き合いください。


釧網本線の観光列車に一度は乗るべき理由
わざわざ観光列車に乗ってほしい理由。
それは「湿原により近づけるのはJR線」だからです。
地図を使って説明します。

「遠矢」と書いてあるのが見えるでしょうか。
ここから先(地図では上)、塘路方面は国道391号線と釧網本線でルートが大きく変わってきます。
国道は川から遠く、湿原の端を通しているのに対し、釧網本線は川に近く、湿原の中を走るルートを取り続けていることが分かります。
事実、岩保木水門は稀に行われる一般開放を除けば、列車に乗らないと見ることができません。一方、国道は地盤の強さを重視してこのルートをとったのでしょう。実際両方を走行(同乗)してみて、見れる景色が大きく違うと感じました。
つまり、車で走っていては湿原(川)を間近に見ることは難しいのです。
これが一見単独維持困難のローカル線にすぎない釧網本線の優れている点です。この貴重な財産をつぶしてはならないと思いますし、生かす手立てを私自身も検討していきたいですね。
以上から、私は是非一度釧網本線、できれば観光列車に乗ってほしいと思っています。
釧路旅行と時期が合いましたら、ぜひご検討ください。

まとめ
いかがでしたでしょうか。乗車記だけの予定が列車に乗れ!PRも盛り込んでしまい、大変読みづらかったと存じます。長々とお付き合いくださった皆様には厚く御礼申し上げます。
ぜひこれを読んで、ノロッコ号や湿原号といった観光列車に乗りたいと思ってくだされば幸いです。季節限定の観光列車は大変希少価値があるので旅の思い出や自慢話にもなると思います。ぜひ自身で乗ってみて、何かを感じてほしいです。
ご意見等ございましたら別タブのお問い合わせフォームよりお送りください。

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